車の塗装が剥がれたらどうする？原因・対処法・修理費用を解説

この記事では、塗装剥がれの主な原因やリスク、自分で補修する方法を解説します。スプレーやタッチペンによる応急処置から、修理費用の目安、依頼先の選び方も紹介しています。

車の塗装はなぜ剥がれるのか？主な原因

気がつくと車の塗装が剥がれていた、そんな経験はありませんか？塗装が剥がれてしまう主な原因は4つあります。

ここでは、それぞれの原因について詳しく解説します。

擦り傷や飛び石などの外的ダメージ

飛び石や擦り傷といった外からの衝撃は、塗装が剥がれる原因のひとつです。

走行中に飛んできた小石がボンネットを傷つけたり、狭い道で壁やガードレールに軽く接触しただけでも、塗装面にはダメージが残ります。傷が深くなると塗装がはがれ、そこから水分や汚れが入り込んでサビの原因になることもあります。

紫外線や雨風による経年劣化

紫外線や雨風による経年劣化は、塗装の剥がれを招く大きな要因です。

日差しを長時間浴び続けると、表面のクリア層が少しずつ傷み、やがて色あせやひび割れが生じます。

クリア層がなくなると、塗装自体がむき出しになり、さらに傷みやすくなります。とくに黒や紺などの濃色車は紫外線の影響を受けやすく、劣化が目立ちやすい傾向にあります。

鳥のフンや花粉など、放置しがちな汚れが原因に

鳥のフンや花粉といった汚れも、塗装が剥がれる原因になります。

軽い汚れは見落としがちですが、放置すると化学反応を起こし、塗装面にダメージを与えます。とくに鳥のフンは酸性が強く、短時間でもシミや変色の原因になります。

花粉も雨と反応すると粘着性が増し、洗車だけでは落ちにくくなってしまいます。さらに、海沿いの地域では塩分を含む空気の影響で劣化が進みやすいと言われています。

水滴が原因！イオンデポジット・ウォータースポット

水滴の放置は、見た目だけでなく塗装剥がれの原因にもなります。

雨水や水道水に含まれるミネラル成分が塗装に残ると、次のようなトラブルを引き起こします。

• イオンデポジット
• ウォータースポット

それぞれの現象について詳しく解説します。

イオンデポジットとは

水滴が乾いた後、塗装表面に白いシミが残る現象です。原因となるのは、水分中のカルシウムやマグネシウムなどの成分です。

• 白い斑点状の汚れとして現れる
• 放置するとクリア層が劣化する
• 落としにくくなり、塗装の寿命を縮めることもある

ウォータースポットとは

イオンデポジットがさらに進行し、塗装内部にまで浸透した状態です。

• 表面を拭くだけでは除去できない
• 場合によっては研磨作業が必要になる
• 光沢を失い、塗装剥がれにつながるおそれがある

予防策

• 洗車後はすぐに水滴を拭き取る
• 晴れた日の洗車は避けるか、短時間で仕上げる
• ボディコーティングで塗装を保護する
  

塗装剥がれを放置するリスク

塗装が少し剥がれただけだからと、そのままにしている方も多いのではないでしょうか。塗装剥がれを放置すると、以下のようなリスクが発生します。

• 塗装下の金属がサビて修理費用が高額になる
• 放置するとサビが広がってしまう

それぞれのリスクについて、詳しく解説します。

塗装下の金属がサビて修理費用が高額になる

塗装剥がれは、放置するほど修理費用が高額になるリスクがあります。

小さな剥がれであれば部分補修で対応できますが、時間が経つと剥がれが広がり、下地の金属がむき出しになります。そこに水分や汚れが入り込むと、サビが進行してしまいます。サビが深くまで及ぶと、塗装だけでなくボディの板金作業が必要になり、費用も数倍に膨らむ可能性があります。

放置するとサビが広がってしまう

塗装剥がれを放置すると、サビが広がる原因になります。

塗装が剥がれた部分は金属がむき出しになっており、水分や汚れが直接触れる状態です。このような環境では酸化が進み、やがてサビが発生します。

初期段階のサビであれば補修は比較的容易ですが、放置するとボディ内部にまで腐食が進行し、修理範囲も拡大します。とくにフレームやドア下部など、構造に関わる部分まで劣化が進むと、安全性にも影響を及ぼす可能性があります。

塗装剥がれを防ぐ方法

塗装の剥がれを防ぐには、日々のケアが重要です。少しの工夫で塗装の劣化を抑え、美しい状態を長く保つことができます。

• 直射日光を避けた駐車を心がける
  • 紫外線の影響を受けにくい場所に停める
  • 屋根付きの駐車場やカーポートを活用する
  • 屋外駐車ではボディカバーで塗装面を保護する

• 洗車と拭き上げを習慣にする
  • 雨、花粉、鳥のフン、鉄粉などの汚れを早めに取り除く
  • 洗車後は柔らかいクロスで水滴を丁寧に拭き取る
  • 長時間駐車後はボディ全体を確認してから手入れをする

• ボディコーティングで塗装を守る
  • コーティング剤で保護膜を形成し、紫外線や水分から守る
  • 専門業者による施工は耐久性や仕上がりに優れる
  • 市販品を使う場合は、適切な方法で丁寧に施工する

自分で車の塗装剥がれを修理する方法

塗装が少し剥がれているのを見つけたとき、自分で直せたらと思うことはありませんか？

自宅でもできる塗装剥がれの補修方法は、主に3つあります。

• スプレー
• タッチペン
• ローラー

それぞれの修理方法について、手順やポイントをわかりやすく解説します。

スプレー

塗装の剥がれが広範囲に及ぶ場合は、スプレーによる補修が効果的です。広い面を均一に塗れるため、タッチペンでは難しい仕上がりにも対応できます。

作業の前には、サンドペーパーで剥がれた部分の段差を整え、表面を滑らかにしておきましょう。次に、周囲をマスキングテープで保護し、プライマーを下地として吹き付けます。その上からスプレー塗装を行い、乾燥後にクリアコートを重ねて仕上げます。

タッチペン

軽度な塗装剥がれには、タッチペンによる補修がおすすめです。狭い範囲にピンポイントで塗れるため、小さなキズや欠けに対応しやすいのが特長です。

作業を始める前に、補修箇所とその周囲の汚れをきれいに落とし、完全に乾かします。その後、車のカラーコードに合ったタッチペンを使い、剥がれた部分を点を打つように丁寧に塗ります。乾燥するまでは触れず、仕上げにクリアコートを重ねると、光沢を保てます。

ローラー

広範囲の塗装剥がれには、ローラーを使った補修が効果的です。スプレーより塗料の使用量を調整しやすく、厚みのある仕上がりが可能です。

ただし、均一に塗るためには下地処理が欠かせません。作業前には、サンドペーパーで塗装面をなめらかに整える「足付け」を行い、塗料と硬化剤を正しい比率で混ぜます。その後、ローラーでムラが出ないよう丁寧に塗り広げます。乾燥中はホコリや気泡に注意し、仕上げにクリアコートを重ねると保護効果が高まります。

仕上がりや耐久性を重視する方はプロへの依頼がおすすめ

塗装の仕上がりや耐久性にこだわるなら、プロに任せるのが安心です。

自分で補修できそうに思えても、塗りムラが出たり、色が合わなかったりと、思わぬ失敗につながることがあります。場合によっては再塗装が必要になり、かえって修理費が高くなるケースも少なくありません。

一方、専門業者に依頼すれば、経験に基づいた丁寧な作業で、自然な仕上がりが期待できます。

特に近年の車両には電子機器が組み込まれているため、専門的な対応が求められる場面も増えています。また、多くの業者では代車の貸し出しにも対応しており、日常の移動に支障が出にくい点も心強いポイントです。仕上がりと安心を両立したい方は、プロへ修理を依頼しましょう。

車の塗装剥がれを依頼できる修理先

塗装の剥がれを修理したいと考えたとき、どこに依頼すべきか迷うことはありませんか？

主な修理先は、以下の通りです。

• ディーラー
• カーショップ
• ガソリンスタンド
• 自動車修理業者

それぞれの特徴を詳しく解説します。

ディーラー

仕上がりの確実性を重視するなら、ディーラーでの修理がおすすめです。

メーカー認定の技術者が対応し、純正パーツを使用するため、品質面での安心感があります。ただし、修理費用は他の業者に比べて高くなる傾向があります。

カーショップ

費用を抑えつつ修理したい方には、カーショップがおすすめです。

店頭に並ぶ塗料やパーツを使って補修を行うため、材料費を比較的安く済ませることができます。塗料の性能や色味を自分の目で確かめながら選べる点も魅力です。

ただし、店舗によって作業の丁寧さや対応の幅に違いがあるため、事前に評判などを確認しておくと安心です。

ガソリンスタンド

気軽に相談したい場合は、ガソリンスタンドでの修理依頼も可能です。給油や洗車のついでに立ち寄れるため、忙しい中でも対応しやすい点がメリットです。

店舗数が多く、身近な場所で早めに相談できるのも利点です。ただし、対応できる作業内容は限られるため、事前に確認しておくことが大切です。

自動車修理業者

コストを抑えつつ、しっかりと仕上げたい方には自動車修理業者の利用がおすすめです。純正品にこだわらず、状態や予算に応じたパーツを提案してくれることも多いため、無理なく修理できるのが魅力です。

ただし、少人数で運営している工場では、板金や塗装などの作業を同時に受けられないこともあるため、依頼前に対応内容を確認しておくと安心です。

車の塗装剥がれを修理する際の費用目安

塗装剥がれの修理費用は、損傷の程度やパーツの種類によって大きく変わります。

軽度な擦り傷であれば塗装のみで対応できますが、へこみや亀裂を伴う場合は板金や部品の脱着も必要になり、費用が高くなる傾向があります。

「塗装のみ」と「修理＋塗装」のケースに分けて、それぞれの費用相場を見ていきましょう。

■塗装のみの場合の費用相場（擦り傷5cm程度）

修理パーツ	費用の目安
バンパー	1～4万円
ドア	2～5万円
フレーム	6～10万円
エアロ	数千円〜1万円

バンパーやエアロパーツは樹脂製が多く、塗料を常温乾燥で定着させるため作業が比較的簡単です。

一方、フレームは車体の基盤部分にあたるため、塗装時には周辺部品の脱着が必要になります。その分、作業工程が増え、費用も高くなる傾向があります。

■修理＋塗装を行う場合の費用相場（擦り傷5cm程度）

修理パーツ	費用の目安
バンパー	3～5万円
ドア	4～7万円
フレーム	10～100万円
エアロ	5,000～2万円

バンパーやエアロは衝撃で変形しやすく、パテ補修を行ってから塗装することが多くなりますが、軽微な傷であればそこまで高額にはなりません。

ドアはパワーウィンドウの配線やサイドエアバッグが内蔵されており、脱着や修理に時間と手間がかかります。さらに、アルミやカーボン製のドアは加工が難しく、対応できる職人が限られるため、費用が高くなることもあります。

フレームの修理が必要な場合は、事故などで強い衝撃が加わっているケースが多く、見えない部分にも損傷が及んでいる可能性があります。そのため、他部位への影響も考慮した大規模な修理となり、費用は高額になりやすいのが実情です。

車の塗装剥がれに関するよくある質問

塗装剥がれは自動車保険が使える？

塗装剥がれに自動車保険が使えるかどうかは、原因によって異なります。

たとえば、雹や落下物による損傷であれば補償の対象になることがあります。一方で、経年劣化や紫外線による色あせは適用外とされるのが一般的です。

契約内容や損傷の状況によって判断が分かれるため、事前に保険会社へ相談し、適用条件を確認しておくことが大切です。

小さな塗装剥がれはそのままで大丈夫？

小さな塗装剥がれでも、そのまま放置するのは避けましょう。

わずかな傷からでも水分や汚れが入り込み、時間とともにサビや劣化が進行する可能性があります。市販のタッチペンなどで一時的に補修することはできますが、あくまで応急処置にとどまるため、できるだけ早く専門業者に相談し、適切な修理を受けてください。

修理にはどれくらいの時間がかかる？

修理期間は損傷の程度によって異なります。

塗装のみで済む場合は、1日程度で完了することが多く、比較的短時間で対応できます。対して、板金作業を伴う場合は2〜3日、塗装範囲が広い場合はさらに2日ほどかかることもあり、合計で4〜5日かかるケースがあります。

事前に業者へ確認し、スケジュールに余裕をもって依頼しましょう。

八王子で塗装剥がれの修理はURBAN GARAGEへ

塗装の剥がれは放置するとサビや劣化の原因になるため、早めの対応が肝心です。

八王子で修理先をお探しの方には、確かな技術と丁寧な対応で評判のURBAN GARAGEがおすすめです。小さな補修から大がかりな塗装まで幅広く対応しておりますので、お気軽にご相談ください！