ブレーキが正常に動作するためには、ブレーキパッドの状態が大きく関与します。ブレーキパッドは消耗部品となり、ブレーキを使用すると徐々に摩耗していきます。
ブレーキパッドは、残量が2mmから4mm程度になったら交換するのがおすすめです。では、ブレーキパッドが1mmまで摩耗するまでに何キロかかるのでしょうか。
本記事では、ブレーキパッドの摩耗と走行距離の関係や、交換が必要になるタイミングを解説します。
ブレーキパッドの役割や特徴
ここでは、ブレーキパッドの役割や特徴について改めて解説します。ブレーキパッドの特性を理解して、交換要否を判断する際に役立ててください。
車のブレーキにおいて欠かせないパーツ
ブレーキパッドとは、自動車のタイヤと連動して回転しているブレーキディスクを挟み込んで制動するパーツのことです。摩擦材を主な成分としており、ブレーキパッドをブレーキディスクに押しつければ摩擦力が発生します。
これによって、自動車は減速や停止させることが可能です。
ブレーキ周りのパーツはどれも重要なものですが、なかでもブレーキパッドは車を止めるための最重要パーツです。
ブレーキパッドの種類
車のブレーキには、以下の2種類が存在します。
- ディスクブレーキ
- ドラムブレーキ
最近では、放熱性が良いという理由で多くの車種で前輪にディスクブレーキが採用されています。
後輪については、ドラムブレーキやディスクブレーキを採用している自動車に分かれます。なお、スポーツカーや重量が重いミニバンでは後輪にディスクブレーキを採用しているケースも多いです。
また、ブレーキパッドとしても以下の種類が存在します。
ブレーキパッドの種類 | 特徴 |
ノンアスベスト | 環境と健康に優しい素材で構成されており、街乗り向けに使用される。ブレーキ鳴きやダストの発生が少なめである。 |
メタリック | 耐熱性と制動力が高く、スポーツ走行やサーキット用途に適している。ダストや鳴きが多く、ローターの摩耗も早い傾向にある。 |
セミメタリック | メタリックパッドの特性とノンアスベストのバランスがとれており、一般走行から高速道路まで幅広い用途に対応している。 |
オーガニック | 通常の街乗り用に最適で、操作性が良く振動や騒音が少ない。高温下での性能はやや劣る傾向にある。 |
カーボンメタリック | 高い耐熱性と制動力があり、スポーツ走行や競技用途に適している。価格が高価であり普段使いには向かない。 |
それぞれのブレーキパッドによって、性能や摩耗状態が異なるので、自動車の利用状況などに応じて最適な種類を選択する必要があります。
ブレーキパッドは車の停止や減速で徐々に摩耗する
ブレーキパッドは、わざと摩耗させて自動車を制動・停止させるものです。よって、ブレーキパッドは車の停止や減速で徐々に摩耗していきます。新品のブレーキパッドは大半が10mm前後の厚みとなります。
ブレーキパッドの材質などによって異なるものの、10,000km走るごとに1mmずつすり減ると言われています。
通常に使用していれば、5年程度で約半分の厚みとなり、徐々に交換を意識しなければなりません。さらに、1mmの厚さになるまでには平均して9万km程度走行したということになります。
ブレーキパッドを交換するタイミング
ブレーキパッドを利用するタイミングとして、以下が挙げられます。
- ブレーキをかけた際に異音が発生する場合
- 警告灯が点灯した場合
- ブレーキフルードの量が減った場合
- 摩耗により厚みが薄くなった場合
- 走行距離が5万kmを超えた場合
上記のなかでも、特に摩耗により厚みが薄くなった場合に交換するケースが多いです。では、どの程度の残厚になったら交換する必要があるのでしょうか?ここでは、残厚別に取るべき行動を紹介します。
残厚5mm以下
ブレーキパッドの残厚5mmとなると、新品状態からちょうど半分の厚みとなった状態です。まだ交換する目安ではなく、もう少し様子をみて使用し続けても良いでしょう。
ただし、5mm以下になるとブレーキパッドの消耗が激しくなる傾向があります。よって、通常時よりもこまめに摩耗状態を意識することが重要です。
残厚3mm以下
ブレーキパッドの残厚が3mm以下となった場合、急ブレーキを踏んだり山道走行が多くなったりしなくても、交換が推奨されます。これは、減速性能が低下して故障を発生させるリスクが高くなるためです。
また、ブレーキパッドの消耗を感知するセンサーが作動し警告灯が光るタイミングでもあります。
もし警告を無視して走行し続けると、異音がひどくなります。危険な状態を迎える前に、ブレーキパッドを交換するのがおすすめです。
残厚2mm以下
ブレーキパッドがさらに摩耗して残厚が2mm以下になった場合、部品が傷みブレーキの効きが悪くなり交換するサインとなります。
残厚1mm以下
ブレーキパッドの残厚1mm以下となると、非常に危険な状態となっている場合が多いです。
新品状態で10mmの厚みがあるブレーキパッドの場合、概ね9万kmを走行していることになります。
かつては、自動車の寿命は10年10万kmと言われており、寿命に近い距離を走行している形です。
車検における基準
車検では、ブレーキの効きに関する項目があり、具体的な数値によって測定条件や基準が定められています。
一方で、ブレーキパッドの残量測定という項目は存在しません。よって、残厚が1mmであっても車検に合格できる場合があります。
ただし、車検に合格したからと言ってブレーキパッドが摩耗した状態での走行は安全な状態とは言えないので注意してください。
ブレーキパッドの残量を確認する方法
ブレーキパッドの残量を確認したい場合、まずはホイールを外します。
次に、ブレーキキャリパーと呼ばれるパッドをディスクに押しつけるためのパーツにある、点検用の窓から確認してください。
目視である程度の厚みを確認できるものの、より正確に把握したい場合はノギスなどを用いて測定しましょう。
ブレーキパッドを交換する際に用いる4つの方法
ブレーキパッドが摩耗して交換が必要になった場合、以下の方法で交換できます。
- ディーラー
- カーショップ
- 整備工場
- 自分で交換
各方法の詳細や、依頼した場合の費用などを紹介します。
ディーラー
ディーラーでは、よりスキルの高い整備士がブレーキパッドの交換を実施してくれます。また、交換するブレーキパッドは純正のものを使用するのが一般的です。
カーショップ
カーショップでは、比較的リーズナブルな価格でブレーキパッドを交換できる特徴があります。
整備工場
整備工場で依頼する場合、カーショップよりもさらに安く交換できる場合があります。工賃含めて5,000円前後の費用で交換可能な反面、整備工場によって対応にばらつきがあります。
そこで、丁寧に作業してくれる整備工場を探すことが重要です。
URBAN GARAGEではお客様の大切な自動車のブレーキパッドをより安く交換対応しているので、ぜひご利用ください。
自分で交換
ブレーキパッドは、自分で交換することも可能です。交換するブレーキパッドと.必要な工具を用意すれば、比較的容易に交換できます。
ブレーキパッドの交換費用を少しでも安く抑える方法
ブレーキパッドの交換費用を少しでも抑えたい場合、以下の方法を検討しましょう。
- 自分で安いブレーキパッドを購入して持ち込む
- 車検と一緒に依頼する
- 安く依頼できる業者を探す
各方法の詳細は、以下のとおりです。
自分で安いブレーキパッドを購入して持ち込む
ブレーキパッドの交換を依頼する場合、部品代と工賃がかかります。
使用する部品は基本的に依頼先で選定するものの、場合によっては高いものを使用するケースも少なくありません。
そこで、自分で安い価格で販売されているブレーキパッドを調達して、工賃のみで交換してもらう方法がおすすめです。
インターネット販売などでは、カーショップよりも安く購入できる場合があります。
車検と一緒に依頼する
車検や12ヶ月点検のタイミングで、ブレーキパッドの交換も一緒に依頼すれば工賃を節約することができます。
これは、点検する際にリフトアップしてタイヤを外す必要があり、そのついでにブレーキパッド交換すれば工賃を抑えることができるためです。
安く依頼できる業者を探す
ブレーキパッドの交換費用は、依頼先によって費用が異なります。そこで、少しでも安く依頼できる業者をみつけることが重要です。
工賃自体が安く、質を担保しつつも安いブレーキパッドを使用している業者を利用しましょう。
URBAN GARAGEにご依頼いただければ、安くブレーキパッドを交換できるのでぜひご利用ください!
ブレーキパッドの摩耗に関する良くある質問
ここでは、ブレーキパッドの摩耗に関する良くある質問を紹介します。
- 摩耗が異常に早い場合の理由は?
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摩耗が異常に早い場合の理由として、以下が考えられます。
- キャリパーの故障
- 断続ブレーキをかけている
- ローターとブレーキパッドのずれ
- ブレーキペダルを強く踏みすぎている
また、5mmを下回ったタイミングから急激に摩耗が進行する傾向にあります。
- 片輪だけ摩耗しても交換が必要?
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通常、ブレーキパッドは両輪ともに平均的に摩耗していくものです。
ただし、ディスクローターに偏摩耗があったりブレーキパッドの当たりがついていなかったりすると、偏った摩耗となる場合があります。
もし片輪だけ摩耗している場合、片方だけ交換すると片効きの原因となるので危険です。
よって、ブレーキパッドは必ず両輪を一斉に交換してください。
まとめ
ブレーキパッドは消耗品であり、新品状態から徐々に摩耗していくものです。よって、乗り続けているなかで交換が必要になる場合があります。
一般的には1万km走行すると1mm摩耗します。
定期的に状態を確認して、摩耗が進行したら早めの交換を心がけてください。また、普段からブレーキパッドに負荷がかからない運転を実践しましょう。